2007/02/17

佛檀店 〜 大衆食堂

 仕事で三重県亀山市に行って来た。荷物にデジタルカメラを忍ばせて行ったものの、なかなか撮るべきものはなかった。
 仕事場から車で20分ほどのところに、会社が借りているアパートがあってそこで寝泊まりすることになっていたので、近所でも歩いてみようかと思っていたのだけど、相棒と二人で泊まるので自分一人だけ、しかも歩いて出歩くというのも不自然な感じ。勤務は正午から午前0時までの12時間でそのあとダラダラしつつも就寝し、出勤前の10時頃に起きると言うのがお決まりのパターンらしいのだけど、少し早く寝て少し早く起き、相棒の寝ているスキに近所を回ることにした。何せ知り合って数ヶ月しか経っていない相手なので、何やっているかを知られて説明するのもウザいというわけで……。
 で、朝9時頃近所を歩いてみたんだけど、特に何もない感じ。なんて言うか、この辺り、人の住むところじゃなくて通過するところと言うのか。何もないのに車だけが多いのだ。もちろん家やアパートとかはあるんだけど、人のにおいがしないと言うのかね。そんななかで見つけた看板。撮影地は津市(旧・安芸郡芸濃町):

佛檀店

 ふつうは「仏壇」と言うふうにつちへんの「壇」を用いるところを、ここではきへんの「檀」が用いられている。例えば「板金」は木の板でなく金属を扱うことから「鈑金」を社名に用いることがあるけど、同様に仏壇は土でなく木製だから、それを示すべく「檀」を用いたのかなと。思って納得しかけたけど、よくよく考えてみると、「鈑」は板状の金属を指すから「鈑金」だけど、「檀」は木製の壇を表すわけではない。むしろ紫檀や黒檀などの高級な仏壇用木材から、仏壇の高級感を強調しようとしているのではないか? なんて思ってみたわけだけどどうだろう?
 ところで、この文字遣いの仏壇店、出張から帰ってきたら地元でも見つけてしまった。そんなもんか。相棒の運転する車の中だったので写真は撮れなかったけど。

 これが2日目の朝の話。前の日の帰りは深夜で真っ暗だったので分からなかったんだけど、上の写真を撮ったあと、相棒の運転で出勤する途中にどうしても撮影したいものを見つけてしまった。とは言え、車でないと行かれない距離。と言うわけで3日目の朝、彼が寝ているスキに社用車の鍵を持ち出し、往復30分ほどかけてわざわざ撮りに行ってきた。我ながら何やってんだかって感じだけど、ひとたびこういうことを始めてしまうと、これが宿命か……。撮影地は亀山市(たぶん、旧・鈴鹿郡関町):

大衆食堂(左の写真はクリックで拡大)

 最近たまたまうちの親父が「衆」の字をまさにこの看板のように書いていたのを見ていたので、その字がそのまま看板になっていて驚いた。
 この食堂の向かいには「鈴鹿駅(すずかのうまや)」なんてものがあった。そのためか、この辺りの地名を「古厩」と言うらしい。

古厩

「厩」はおそらく異体字の数では群を抜いていると思われるけど、ここのバス停のはもっとも一般的な文字遣いだった。もとからこの字なのかな?
 いずれにしても、来てみるもんだな、亀山。

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