2010/09/18経ヶ岳(仲仙寺ルート)兼ねてから興味のあった山登り。昨年霧訪山(きりとうやま)、今年戸倉山(とぐらさん、伊那富士)と古びたスニーカーで登ったのだけど、ここへ来てようやくトレッキングシューズを購入。もう少し骨のある山に行ってみたいと思い経ヶ岳(きょうがたけ)を選んで登ってきた。 *
朝6:30に家を出発。ファミマならTポイントが付くと言うことで、南箕輪の田畑店で必要なものを購入して仲仙寺まで行くことにする。 *
仲仙寺下には公民館があって、そこに広い駐車場があるのだけど、僕は三門すぐ下の参拝者用駐車場に止めてしまった。買ったばかりのトレッキングシューズの紐を慎重に結び、7:15、予定より15分遅れで仲仙寺発。公民館駐車場には4台ほどの車が止まっていた。参道を進むと、前方の本堂に続く階段を上がっていく1人の男性登山者の姿が見えた。どの程度の人が登るのか見当も付かないため、他に登山者がいるのが確認できたのは心強い。
出発してしばらくは多少の分岐があったが、広い道なりの道を選んだり、適当に選んだりして進むとまた合流していたりして、容易に正しいルートに至る。伊那養護学校が設置した看板があり、これに従っていけばおよそ迷うことはない感じだ。途中、「伊那養護学校はこちら」と言う意味の矢印が書かれた看板を発見。なぜ仲仙寺から登山道を経由して養護学校に行かねばならないのかと、直接行けば良いじゃないかと思ったが、あとあとこの先の登山道のあちこちに養護学校が独自に設置した案内看板があったことを考えると、その流れで登山道に養護学校の方向を示す看板があってもおかしくないなと感じた。
そう言った看板の一つにヘビへの注意を喚起するものがあり、僕はヘビが大嫌いなので出来れば会いたくなかったけれど、最近はむしろクマが出没したと言うニュースの方が多く、僕が一人で山に行くと言ったときに両親が心配したのもむしろクマの方だったため、余りヘビと聞いて恐怖することもなかった。沖縄に行ったときに、「ハブ注意」の看板を見た途端に、ハブはおろかその看板自体への恐怖心が増したのとは多少事情を異にする、と言ったところか。 ようやく2合目かと思ったら、なんと4合目の、大泉ダムルートとの合流点だった。案外あっと言う間に4合目まで来てしまったなと感じた。ここまで約1時間の道のり。小休止するうちに、おじいさんに追いつかれ、最初の男性にはさっさと抜きさられた。おじいさんがそこでタバコをくゆらせているのを見ながら先に出発。この辺りから周囲がガスっぽくなり、5合目直前には遠雷が聞こえたような気がして不安になった。いざというとき戻るという判断が自分に出来るだろうか……。 5合目で3人目の男性と遭遇。小休止のあと、その男性が歩いていった方向をあとからたどるような形で先へ進む。同じく休憩中だった最初の男性をまた抜く形になる。途中で前の男性に道を譲ってもらい進むと、6合目手前で女性と遭遇。見返った女性が「主人と間違えてしまいました。案外早く追いつかれたなって思って」と言っていた。先の男性のことらしい。旦那さんが程なく6合目に到着すると、奥さんが僕と間違えた話を旦那さんにもしていた。何となくその夫婦と一緒に休む格好になった。最初の男性にまたそこで抜かれる。小休止して先に出発。この辺りは多少急だったが問題なく進む。その先のちょっと平らになったところで別の夫婦がお湯を沸かしていた。 7合目はちょっとした峰になっていた。ここから頂上までは、各合目で、最初の男性が休憩しているところに僕が追いつき、入れ違いになる感じに。しばらくして夫婦と合流。先に着いた奥さん、「地元の方ですか?」。一瞬、地元がどこまでを指すのか迷い、「はい」と言う返事がわずかに遅れたが、特に気も止めず、自分たちが水戸から来たことを告げた。「二百名山なんですってね」と言う問いに「あっ、そうなんですか」なんて答えたので意外そうな表情をする奥さん。実質これが初めての登山だと言うと、「スイスイ登っていくから……」なんて言っていたが、ペース配分が分からず無鉄砲に登っていく初心者に他ならない。そもそも百名山は知っていたが、二百名山なんてものがあることすら知らなかった。旦那さんが到着する頃には一瞬晴れて、ガスの向こうに南アルプスが霞んで見えた。山の名前と姿が一致しない僕は、夫婦の会話から、尖った峰が甲斐駒ヶ岳だと言うことを教わる。
その後の7合目から8合目までの道のりが上りで一番辛かった。いつまで歩いても一向に着かないと言う感覚で、8合目の手前の急な上りはほとんど這って登る状態だった。8合目は大パノラマだと言うことは知っていたのだけど、ガスで何も見えず。何も見えなかったことを記録するため北、東、南とただの白い空を撮影する。が、わずかにこれから登る峰が見えたのでそれも撮影。ここからの眺望は下りに期待するとして先へ進むことに。
リュックを下ろすと背中がびしょ濡れ。ここまでに取った水分がすべて背中とリュックの間に溜まっていたかと思うほどだ。到着したときはガスっていたため、日が出ていないと汗で濡れたシャツを着ていてはとても寒く、着替えを持ってきたのがせめてもの救いだった。 次いで水戸の夫婦が到着。真上は晴れて日が出てきたため日向で暖を取りながら昼食。そのころにはお湯を沸かしていた夫婦も到着した。水戸の夫婦からは、巨峰?3粒に笹かま、それに1泊した麓の羽広荘で出てきた割り箸の箸袋の裏に、南アルプスの峰々の絵と名前が描かれていたからと言って、その箸袋までいただいてしまった。さっき僕が山のことを何も知らなかったことを受けての配慮だろう。大切にします。
11:40ころ頂上発。1時間の休憩と、無事登頂したと言う安心もあってか、この時は心も体も軽い。下り9合目手前の苔むした岩場では、日本庭園のなかを歩くような感覚を味わった。ガスで眺望が望めなかったため、この山でもっとも感動した光景だったかも知れない。 * 自分のなかでそれなりの準備をしていった初めての登山と言うことで、記録を残すこととします。たぶん今後ここまでつぶさに行程を書き記すことはないだろうから。 |