2007/02/17

亀山行き

本文とはまったく無関係ではありません

 仕事で三重県亀山市に行って来た。仕事で亀山と言うと、まぁ9割以上は特定の一企業を指すことになるわけだけど、僕も例外ではなかった。

 今回は、せっかくの出張なのでと荷物にデジタルカメラなど忍ばせて、何か面白いものがあれば撮ってこようかと思っていたのだけど、一応仕事なので職場に持っていくことは出来ないし、ましてや大企業なので機密保持と言うことで、今回作業したクリーンルームなんかにはカメラ付きケータイも持ち込めない。まぁ、クリーンルーム内にそれほど面白いものもないので良いのだけどね。
 作業と言っても、交替制ではあるものの24時間装置がちゃんと稼働していることを確認するためにデータ採取を1時間ごとにする以外、残りの50分ほどはただ見てるだけ。あるいはもっと言うとそばでボーっとしているだけ。クリーンルーム内なので必要最低限のもの以外は持ち込めず、ひたすら何もしない時間をつぶさなくてはならない。せめて紙とペンがあって落書きでもしていられるのなら、何らかの――可能であればそこそこ生産的な――思索のひとつやふたつにふけられたかも知れないけど、データ書き込み用の紙以外は持ち込めなかったために、すべて頭の中だけ。自ずと生産的な思索は無益な妄想に取って代わられてしまうことになったわけだけど、まぁそれは別の話。出張自体は3日ごとに次のグループに引き継がれるのだけど、しばらくしたらまた順番が回ってくるので何度か行くことになりそうだ。

 そんなわけで、なかなか面白いようなものもなかったんだけど、何となく何度も行き来していた工場の通路にこんな張り紙があった:

あなたの『ひとつかみ』がきれいになります

 ここはクリーンルームの外だったために人気がないのを見計らって撮影できた。ここ以外の場所で、同じ張り紙がゴミ袋の上に貼られていたことから、ゴミを拾うことを奨励したものだと思われる。でもこれ、つかまされる立場としては、相手がゴミならばせめて「ひとつまみ」くらいで許して欲しいところだけど、それは本旨ではない。って当たり前か。それは置いておいて、僕ならやっぱり

  1. あなたの『ひとつかみ』できれいになります
  2. あなたの『ひとつかみ』がきれいにします

のどちらかにする。ただ、1. なら主語、2. なら目的語――例えば「工場内が/を」――が省略されているためにどれをとっても何となく間抜けに聞こえてしまう。その間抜け度が比較的低いのは、僕の主観だけど張り紙にあった通りの文かなとか思ったけど。どうだろう? そうでもないか……。そうでもないな。
 これ、かの有名な「許可なく禁止する」掲示に通じるものがある。参考までに 文字のスナップ(Yeemar's HomePage)No.140 など。上記リンク先の文、僕なら

  1. 許可なき学外者の入構を禁止する
  2. 許可なく学外者が入構することを禁止する
かな。2. だと、「許可なく」が相変わらず「禁止する」にかかる可能性を残すので、「文字のスナップ・注1 - 140 許可なく」にある「法律の条文ふう」ってことになるのかなと。個人的には 1. がスリムで好きだけど。

 と思ったら、なんとこれと同様の誤りを同じ敷地内で見つけてしまった:

許可なく、行為は禁止します

 僕なら(ってのもアレだけど)

  1. 敷地内で許可無き、集会・滞留・ビラ配布等の行為を禁止します
  2. 敷地内で許可無く、集会・滞留・ビラ配布等(の行為を)することを禁止します

とかかなぁ。2. が ( ) を外すと回りくどい感じだけど。1. は「許可なき」がかかる名詞が「集会・滞留・ビラ配布等の行為」と非常に長いために抵抗が生じるかな。作文者としては「許可無く、」の「、」でどうにか文として成り立たせたいと思ったのではないか、って言ったらうがち過ぎか……。

 さて、ここから車で15分ほどのところに寝泊まりしていたのだけど、そっちの話は別ページで。

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